TVを買って貯まったポイントで、何の気なしに買った「カルチョビット」でついつい徹夜。
サッカーチーム育成シミュレーション カルチョビットこれは非常に良く出来たゲームだと思う。
『サッカーチーム育成シミュレーション』でゲームボーイアドバンス用ソフトとなると、どうしても簡易版「サカつく」と想像してしまう人が多いと思うが、ゲームとしての成り立ちというか、面白さの肝となる部分が「サカつく」とは大きく異なる。
「サカつく」が勝つことによって「育成」していくゲームだとすれば、「カルチョビット」は負けても「育成」を楽しめるゲームなのだ。
「サカつく」では負け試合というのは苦痛以外の何物でもない(だからこそ勝つまでリセットを繰り返す「リセッター」なんていう人種も多い)のだが、「カルチョビット」では負け試合で得た『課題』を糧に選手を育成するシステムになっている。(勝ち試合でも『課題』は得られるけど、ボコボコにされて『課題』が山積みになったほうが育成はより進捗する。)
例えば試合中ですよ。
シュートをふかしたら
「信じられない!!こうなったらシュート練習だ!!」とか。
ヘディングで負けると
「高さで負けている!!」とか。
挙句の果てには
「これじゃサポーターが怒るのは無理ない。サイン会を開こう。」だとか。
「気持ちで負けている!!合気道でもやって気合を入れろ!!」なーんていう、監督が試合中にこぼす切実な愚痴(w)の数々が『課題』となり、試合後の選手育成に反映できるわけです。
この違いは想像以上に大きかった。
負け試合を楽しめるというだけで、こうまで違ってくるものかと。
目からウロコの思いである。
もちろん「サカつく」だって(発売当時は)素晴らしく良く出来た『サッカーチーム育成シミュレーション』だったと思うけど、登場から10年間経ってもゲーム内容の質的なものが全く変わらなかった事には失望する。
10年で10本以上もタイトルを重ねたんなら、どこかで『サッカーチーム育成シミュレーション』ゲームとして(今回の「カルチョビット」的な)質的な変化を遂げてくれても良かったと思うんだけど・・・。そして「カルチョビット」は試合シーンも良く出来ていて、見た目にはドット絵のキャラがチマチマ動いているだけなのだが、継続してプレイしているとチームの「成長」を実感させてくれる動きを見せてくれるのです。

このショボいドット絵で、強いチームと弱いチームとのプレーの質の差を、まざまざと見せつけてくれるというのは凄い事だと感心。(だって物凄いCG使ったからって、必ずしも出来る事じゃないからね。)
そしてそんなドット絵キャラ達の健気な成長がまた育成意欲をそそって、ついつい止め時を見失ってしまう・・・、いやいや恐ろしいスルメゲーですよ、これは。
ただしその一方で。
「もっと細かくフォーメーションを設定したい」なんていう戦術的な要素に対する欲求を満たしてくれないことに対する一抹の物足りなさだとか、選手の疲労度のSIGNALが選手一覧で一括して確認することができなかったり、フォーメーション画面で選手のパラメーターを確認すると一度選手データ画面に戻ってしまいフォーメーション画面に入りなおさなきゃいけなかったりといった操作性周りの不備が少々あったりだとか、ちょっと不満が集まりやすそうな部分も抱えたゲームではあるのですが。
それでも「サカつく」に飽いた「サカつく」好きの人には、是非オススメしたいゲームだなぁ。
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