紆余曲折は多すぎるくらいあった気もするけれど、終わってみればまず「順当」といって良い結果に終わった1stラウンド。(エルトン・ブランドの充実振りからすればDENの敗退は意外でもなんでもないでしょう?)
そしてカンファレンス・セミファイナル。


注目は何と言ってもSASとDAL、今シーズンの「西の2強」同士の激突。
このカードといえば2003年のカンファレンスファイナルを思い出す。(というかプレイオフでの対戦はこの時以来、か・・・。)
GAME1に先勝したマブスであったが、その後GAME2、3と落とし、さらにノビツキーを負傷で失った、そしてGAME6、鮮やかなスパーズの逆転劇。
シリーズ4-2でスパーズがファイナルへ駒を進めたこのシリーズ、数字以上に危なげないスパーズの完勝だった。
この時の「ビッグ3」を中心としたマブスの陣容は、攻撃的を通り過ぎて破壊的とでもいえる迫力(と、同時に「脆さ」も感じさせたけど)が印象的だった。(ドン・ネルソンHCならでは、とも言えようか。)
今も変わらぬ当時からの「エース」ダーク・ノビツキー。
当時はまさか将来SASのベンチプレーヤーになるとは想像だにすることが出来なかった(当時は)オールラウンドプレーヤー、マイケル・フィンリー。
当時から傑出した司令塔でありシューターだった2004/5シーズンMVP(そして今年もMVP)スティーブ・ナッシュ。
脅威の爆発力で多くのミラクルを演出してきたニック・バンエクセル。
ビッグマンでありながらスリーも打てさらに走れるという希少なタレントであったラフレンツ、そしてウォルト・ウィリアムスやラジャ・ベルといったシューターをも揃え、「走れる」「長距離砲」をズラリと並べたユニットで、レギュラーシーズンは今シーズンと同じ60の勝ち星を積み上げた。
しかし。
それでもスパーズの壁は見上げるくらいに高かった。(多分、LALとやっても勝てなかっただろうケド・・・)
あれから3年、わずか3年、たった3年の間に、マブスはチームを壊し(大黒柱は残しつつ、だけど)、そして作り直し、再びスパーズの前に最強の挑戦者として現われた。
この事に、ちょっとした感慨をおぼえる。
3年前、スパーズに敗れ去った後、マブスの動きは過剰なまでに速く(拙速に思われるくらい)、そして大きなものに思えた。
まず「起爆剤」バンエクセルと「精神的支柱」エイブリー・ジョンソンが早々にチームを去り、さらにラフレンツが去り、そしてナッシュが去り、最後にフィンリーまで去り、今シーズン前には「ビッグ3」という一時代は完全に解体されていた。
そして彼らに代わってやってきたジェイミソンやアントワン・ウォーカーは、既にマブスにはいない。
こうして外から見ていると、どうしても失われてしまったものばかり目に付いてしまう。
が、しかし、失われていく中で新しい芽は確かに、確実に、芽生えつつあったのだ。(で、タイトルのマッキーの歌の歌詞を思い出してしまうわけです・・・)
ジョシュ・ハワード、デビン・ハリスといった若いチカラ。(ジョシュは私も大好き。あのエネルギッシュさ、ガッツ、ハッスル、献身、タフネス・・・そんな泥臭い単語で褒め称える事が出来るプレーヤーであるにも関わらず、センスフルでアビリティも高い。ステキだ。)。
コーチとして帰ってきたエイブリー・ジョンソン。
待望の大型センターであるエリック・ダンピアー。
そしてビッグ3から完全に独り立ちしたダーク・ノビツキー。
ジェイソン・テリーやスタックハウス、ダニエルズといったオフェンスで相手を突ける「矛」もしっかり揃えた。(特にテリーの充実振りは著しい。フィットしていなかったDAL加入当時からすると別人モノ。)
その攻撃性ばかりに目がいってしまいがちだった3年前のチームとは一転、非常に攻守にバランスの取れた(それでいて破壊力も備えた)好チームとしてマブスは「再生」、というより「転生」してみせた。
一歩間違えればプレイオフスポットからの転落だって十分にありえたはずだ。(たとえばMINのように。)
見事というしかない。
一方でスパーズは変わらないチームだ。
当時はツインタワー(ダンカン&ロビンソン)を抱えつつ、精度の高いシューターやスラッシャー(パーカー、S・ジャクソン、ジノビリ、カー、ボウエン)を外に並べていた。
今もダンカン(&モハメド)でインサイドを優位に支配しつつ、精度の高いシューターやスラッシャー(パーカー、ジノビリ、バリー、フィンリー、オーリー、バンエクセル・・・オエッ)を外に並べている。
エースストッパー、ブルース・ボウエンも健在。
HCのポポビッチも含めて、その強さを支える「何か」に大きな変化はないといっていい。
変わらざるべくして変わらないスパーズ、変わるべくして変わったマブス。
果たしてどちらが勝つのか、興味が絶えるの事のないシリーズになりそうだ。
3年前、マブスを牽引していたバンエクセル、そしてチームリーダーだったフィンリーが今はスパーズのベンチにいる、この一事だけでも見ている側からすると想像力を刺激されて面白い。(『因縁』というのは勝負事にとって最高のエッセンスの一つでしょう。)
スパーズはどっちかといえばスロースタートなチームなだけに(SAC戦も苦しみましたし)、マブスとしてはカンファレンス・ファイナルでやるより、ここであたった方が勝機が十分にありそうというのも興味を引く部分。
ただ一つ言える事は、ダーク・ノビツキーが勝負を決めるシュートを落とし続けるようでは、マブスにこのシリーズ勝ち目はないということ。
ノビツキーの奮起に期待したい。(
GAME1には触れまい・・・、頑張れノビ)
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